第10話『涼宮ハルヒの憂鬱IV』を見て

勢いに任せて書きなぐるほどではないが書いてみます。例によって軽快にネタバレなので警戒してください。
間をおくために、これ張っておきますね。

涼宮ハルヒの憂鬱
涼宮ハルヒの憂鬱
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不満超不満

とりあえずひとつ、納得いかないシーンが。キョンが椅子を投げたあとのシーンです。
朝倉さんは「今のこの教室はすべてあたしの意のままに動くって」といっているのにもかかわらず、バリアを張って椅子を防いでいます。この表現は矛盾しています! 念のため原作を確認してみましたが、バリアではなく椅子自体の軌道を変えて回避しています。
しかも、椅子がバリア上にわりと長い時間とどまったので、妙に椅子の攻撃力が高く見えます。
バリアのほうが見栄えはいいですが、これは正直ミスだと思いますね。

でもすばらしい

そのほかは相変わらずのすばらしい出来でしたね。
憂鬱IIIから間があったことのフォローの意味でかオープニングで朝倉さんを登場させたり、さりげなく事前に朝比奈さんのほくろ写真を見せたりと気が利いてます。
それでも教室に入ってから戦闘終了までの一連のシーンと比べるとおまけみたいなものになってしまいます。
それだけあの戦闘シーンはすばらしい。

ビバ戦闘 1

動きのよさは言うまでもないですが、細かい部分での原作の再現がすばらしい。
5メートルほど後ろへジャンプ。
靴に書かれた『長門』の文字。
衝撃で落ちるメガネ。
体から引き抜いた鉄棒が椅子に戻る表現。
どれも原作どおりです。

ビバ戦闘 2

また、戦闘中の背景の移り変わり。意識してみないとただのぐにゃぐにゃした絵だと思ってしまいますが、よく見ると写真ベースのものが多いですね。
ミニカーだったり、ねじ?だったり、微生物だったり、高いところからの写真だったり。
さらに、地形を無視するような背景が多い中、長門キョンを地面にたたきつけるシーンや長門が地面を蹴るアップのシーンではしっかり地面らしい絵を使っていたり、長門が高く舞い上がるシーンでは天井の絵をつかってるなど、不必要に視聴者を混乱させないよう工夫されています。
おまけに、戦闘シーンラストでは衝撃の瞬間に薄暗い星空に白い花という、どこか悲しさを感じさせる背景になり、しかしながら長門の逆襲とともに光が差し込み、周りの物の崩壊とともに、乾いた砂しか存在しない、砂漠へと変化していく、といった、展開にあわせた演出までしてくれます。どこかにカナブンいたりしないよね?

ビバ戦闘 3

細かいところに触れると、長門が「情報連結解除、開始」といった直後のシーン変わる直前、すでに朝倉さんの表情が変わりはじめてます。
これは初見で気づいた人はさすがにいないのではないでしょうか。細かいところまで気を使いすぎです。
『神はディティールに宿る』という言葉がありますが、まさにぴったりです。

『人間』という言葉

原作どおりだけど、「人間はさぁ、よく(以下略)」という朝倉さんの台詞があります。
何も知らないでこの台詞を聞くと「私たち人間はさぁ、」という意味にとり、なんか変な表現だなぁと思いつつ聞き流すところです。
しかし、正体を知ってからだと「あなたたち人間はさぁ、」と言った意味に変わってきます。こういった言い回しの妙が素敵です。

まとめ

なんだかんだいって、今回は長門の一人舞台でしたね。いや、朝倉さんと二人か。

おまけ

メガネの再形成を忘れたことが目の表情変えてしまうほどに驚きですか?長門さん。